病害虫や生理障害                                                           TOPへ

  主な病気

ハイイロカビ病    花腐れ病とも呼ばれ、満開期以降に雨が多いと花びらが腐り、梅の幼果が感染されて表面にひっかき傷のような跡が残る。

黒星病        俗にミッチャと呼ばれ果実表面にその名の通り黒い点が残る。

カイヨウ病      強風によって発生しやすい病気 若い枝や葉にも感染するが、果実への感染は表皮の下にシコリとなって残り、食味を損なう。

スス斑症       収穫前の時期にアブラムシの発生などがあると出やすく、果皮に軽くススけた状態になる。食味には全く影響がない。

モンパ病       土中の病原菌 未熟の有機物をすき込んだり、感染樹の後に植えても発生する。土を入れ替えたり、徹底した薬剤注入が必要
 
衰弱症        干魃などで弱ると土壌病原菌により根が少なくなりやがては枯死する。土壌を健全に保ち水分ストレスなくする管理を。

        上記のうち、果実に影響があるハイイロカビ病、黒星病、カイヨウ病、スス斑症は、栄養面での影響はなくもっぱら外観のみの被害。   

              モンパ病、衰弱症は樹を枯らしたり著しく成長をと止めるなどするので、根本的な治療あるいは植え替えが必要。

  主な害虫

アブラムシ      根絶するのは難しいが殺虫剤にはきわめて弱いので、天敵による防除などと併用して密度を減らす。多肥は禁物。

カイガラムシ     適切な肥培管理と樹体管理をすれば大発生は少ない。アブラムシ防除と同様に天敵などの確保を考えるべき。

アカマダラケシキスイ 幼虫あるいは成虫が果肉を食害し、また果肉に残ったまま梅干しとして漬け込むと商品価値が著しく低下しクレームの元とな

           る。清水に30分間浸漬することで大半の虫は果実から出るが、選果台や梅干しになった時点で侵入口のあるものは廃棄する

           ことも大事。

アメリカシロヒトリ  近年、夏場以降に大発生して葉を食い尽くしてしまうケムシ。早期発見。早期防除

コスカシバ      樹皮下を幼虫が食害し、養分が上がらなくなり上部が枯死する。フェロモン剤やカナヅチで樹皮の上から叩いて潰す。

  生理障害

しこり果(ヤニ果)       ゼリー状のカロースといわれる物質ができ、食味を損なう生理障害。前年からの貯蔵養分が充分でなく、果実の肥大期に干魃に遭うと発生

                 しやすい。果皮ではなく果肉の障害なので表面からはわからない。したがって生産者が一粒一粒指で押して選別するしか今のところ方法が

                 ない。これは非常に手間のかかる作業である。灌水や堆肥施用で水分ストレスを少なくする必要がある。

日焼け果

                 成熟期、すなわち梅雨の晴れ間に強い太陽光が当たると、果皮がその名の通り焼けて細胞が壊れ、結果的に一部が陥没した果実になる。


 徒然なるまま


    上記病害虫は昔から一般的なものが多く、比較的対策が進んでいるが、できるだけ農薬を減らすという方向ではあまり進歩したとはいえない。

    細菌やカビによる病害は強風対策や土壌を肥沃にし健全に保つことで被害を軽減できるが、比較的労力や金がかかることもあり収量に直結しないことも

    あって蔑ろにされてきた。

    しかしこのような対策を行うことは樹を長持ちさせることであり、結果産地としての体力が保たれることの効用を考えるべきであろう。

    また、害虫対策についても、ひたすら農薬散布で押さえ込んでしまおうと考えるのではなく、幅広い天敵の利用や耕種防除といわれる方法も取り入れることが

    自然界のバランスに配慮し、健康食品を製造している生産者としての意識にも体にもいい影響があるんだという気概を持って取り組むべき課題だと思います。


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