紀南といったら磯釣りは外せないでしょう。
自然に恵まれて育った者は、目に見えない大きな力を全身で感じて遊ぶことが大好きなんです。
磯釣りにはまったのは比較的遅く30代半ばだったが、病膏肓にいるで、これは一生モンでしょう。
紀州のオイヤンといえば、イガミ釣りを連想されるが、今はグレ釣りも盛んで、還暦目前の小生より
年少の者はほとんどこっちである。
* イガミとはブダイのこと(舞鯛) 大型のイスズミとともに正月の祝いとされるほど紀南では昔から愛されてきた魚。
四国ではゴンタとも。義経千本桜の登場人物いがみの権太から。失礼ながら、ギョロ目で人相がよくない。
いわゆる底物であるが、コマセは必要。モクズガニを冷凍してつぶし、米ぬかと混ぜてコマセにする人も。
農閑期の釣りではあるが、師走になると寒グレシーズン突入ということで、梅の剪定中も気がそぞろである。
年が明けても2月いっぱい寒風吹きすさぶ中でも竿を出す。
グレのフカセ釣りでいえば、幸か不幸か師匠がいなかったせいで当時は非常識な沈め釣りをしていました。
沖磯では決まったポイントもあれば、時々刻々変化する潮の沈み込みを狙うのも退屈しない釣りになります。
見ず知らずの人でも,竿を並べていれば自然と会話が生まれ、腕も上がります。
仕掛けは、前夜に針までセットして一番先に釣り始めます。潮の流れを確かめるためです。
磯上がり前の船上からもサラシの方向である程度わかりますが、潮の速さまではわかりません。
沖磯といえば、魚種が豊富なのもありがたいですね。イサキやスマガツオ(ヤイトにあらず)サイコー!!
イカ引きは悪友であり師匠からお誘いがあれば喜んで夜釣りにも行く。冬の夜、しかも海へ!
夜のイカ引きは連れがいないと退屈だし、足元が心許ない。特に獲物の取り込みの際、老眼の身には。
3月になるとサメが磯周りにきて獲物を途中で横取りされることもある。せっかくの魚が頭だけってことも。
それではと乗合船に鞍替えして、乗っ込み真鯛やイサキの船釣りを梅の収穫前まで楽しむということになる。
半年にも満たない農閑期だし、週一というわけでもないが、楽しむには充分である。
磯の貝拾いもほんの15分ほどで行ける。大潮の干潮時を狙い、昼飯もそこそこに、道具はキッチリ積み込んで。
本命はヨコガイ(エガイ)だがシッタカ(バテイラ)やアサリ うまい貝なら何でも。下の写真は茹でたエガイ。美味!